
脂質は1グラム9キロカロリーと高カロリーなため、「脂質を摂ると太る」と認識され、ダイエットでは敬遠されがち。しかし、すべての油を遠ざける必要はありません。油には良い油と悪い油があり、良い油を摂ることでダイエットの味方にすることができます。今回は油とダイエットの関係についてご紹介します。
■ダイエット中でも油が必要な理由
糖質・たんぱく質・脂質は体の3大栄養素といわれています。脂質は体を動かすエネルギー源になるのはもちろん、体を作る細胞や体の維持に欠かせないホルモンの材料にもなるため、私たちの体には絶対不可欠なものです。
体の中で筋肉を作ったり脂肪を燃焼させるためにはホルモンが必要です。そのホルモンの材料となる脂質を摂ることは、ダイエットにおいても必要なことです。人間にはもともと体のバランスを整える機能が備わっていて、体脂肪が増えると脂肪細胞からレプチンというホルモンが分泌され、自動的に代謝を上げてくれ、太り過ぎないようになっています。レプチンが分泌され脳のセンサーがレプチンに作用することで満腹感を感じるのですが、悪い油を摂ると脳のセンサーが狂ってしまい、レプチンに反応しなくなり食べ過ぎてしまい肥満を招きます。脂質がダメなのではなく、悪い油を避け良い油を選択することが重要なんですね。
■痩せるには油の選び方が重要
脂質が重要だといっても油脂ならなんでもいいというわけではありません。選び方、摂り方によっては細胞や体・脳に悪影響を与えたり、肥満を招く原因にもなるため、良い油と悪い油を理解し、良い油を摂るように心がけることが大切。良い油と悪い油についてご紹介します。
■良い油
良い油は、オメガ3。クルミやアーモンドなどのナッツ類やサバやイワシなどの青魚、亜麻仁油やエゴマ油などに多く含まれています。
オメガ3には抗炎症作用や代謝アップのほか、血液をサラサラにする効果があり、質の悪い油によってダメージを受けた細胞の炎症を改善する働きもあります。多くの人はオメガ3の摂取量が圧倒的に不足しているため、オメガ3を積極的に摂るように心がけましょう。1日3グラム程度が理想。
■悪い油
悪い油は、飽和脂肪酸・オメガ6・トランス脂肪酸です。これら3つは人体に悪影響を与える油であり、太りやすくなる油でもあるので、避けるべき油です。
飽和脂肪酸
飽和脂肪酸は摂り過ぎると血液がドロドロになり血栓症などの原因にもなるといわれています。
オメガ6
オメガ6は必須脂肪酸で摂取する必要がある栄養素。揚げ物や炒め物などで使うサラダ油や加工食品に使われている植物性油脂に多く含まれています。オメガ6は過剰摂取になりやすく、多く摂り過ぎると脂肪細胞が炎症する原因になったりアレルギーの原因になったりするため、摂り過ぎに注意する必要があります。
トランス脂肪酸
トランス脂肪酸とは、植物性油に水素を添加させて元素を変換させて作られた人工的に作れられ油のことです。トランス脂肪酸は欧米では厳しく規制されており、欧米のみならず、シンガポール・韓国・オーストラリア・中国・台湾・香港などでも使用を禁止したり、表示を義務付けたり、使用量が制限されたりしていますが、日本では何の規制もされていないため、パンやお菓子・加工食品などに大量に使われているのが現状。
トランス脂肪酸は健康にも悪影響を与え、ダイエットでもホルモンに悪影響を与えるため、一番避けるべき油です。ホルモンに悪影響が出ると満腹感を感じる脳のセンサーが故障し、満腹感を感じられなくなり肥満を招くため、ダイエットにもよくありません。トランス脂肪酸は、ファットスプレッド・ショートニング・水素化油脂などと記載されています。
■■まとめ
いかがだったでしょうか?今回は油とダイエットの関係についてご紹介しました。オメガ6や飽和脂肪酸・トランス脂肪酸といった油を避け、オメガ3を積極的に摂ることがダイエットにも健康にも良い効果をもたらします。ぜひ参考にしてみてください。